お薄茶とお濃茶

お稽古に出てきた上生菓子日記

こんにちは。一日一服はお茶を飲みたい松下です。

今日はお薄茶とお濃茶についてお話しようと思います。

お薄茶はおうすと普段言われていることが多いです。

多分、お抹茶と言えば、こちらのお薄茶を連想される方が多いはずです。

こんな感じのお茶です。

表面が少し泡立ってて、まろやかな口当たりで、すっと飲めます。

お店やお祭り、お茶席などで頂くお抹茶はほぼお薄茶だと思います。

たまに、お茶専門店などで、お抹茶がお薄茶、お濃茶とどちらも用意されているところも見かけますが、世間でお抹茶と言えば、ほぼお薄茶のことでしょう。

お薄茶は一人一椀です。

次にお濃茶です。字の通り、お薄茶より濃いお抹茶です。

私の感覚では3〜4倍くらい抹茶の濃度が高いです。つまりめっちゃ濃い。

飲む時は、引くと言う言葉を使うくらい、トロトロとしたお抹茶をすっと吸い込んで頂きます。

飲んだ後にお茶碗に残ったお濃茶の綺麗な色を見るのも楽しいです。そして、いつも、少しもったいないなーと思っちゃいます。(それは私だけかな…)

お薄茶を入れる時は、お薄を点てると言いますが、お濃茶の時は練ると言います。

茶せんをシャカシャカして点てるのは、お薄茶。その一方、お濃茶は茶せんをゆっくり動かしてお茶をお湯で練るようにして入れます。

あと、お薄は一人一椀でいただきますが、お濃茶は大体3〜5人分を同時に入れて、同じお茶碗のお茶を3人〜5人で頂きます。

なので、お茶を頂く時の作法も、お薄茶とお濃茶では異なります。

ただ、今のこのコロナ禍の中で、数人で同じお茶碗のお茶を頂くことが難しいので、最近は各服点(かくふくだて)という形でお濃茶を頂くようになっています。

私は若い頃、絵を描くのが好きで、お濃茶を初めて練らせてもらった時、自分のちょうどいい粘度にするために筆で絵の具と水を練って調整する作業に似てるなぁと思いました。(こんなこと書いたら誰かにめっちゃ怒られそうですね)

ただ、本当にお薄を点てるのも大好きですが、お濃茶を練るのもとても好きです。どちらもお湯を入れた時の抹茶の香りがふわっと立つ瞬間や、お薄だと、泡立つ瞬間。そして、そのあとの泡をきめ細やかに整える時。お濃茶だと、練っていたら、お抹茶がとても滑らかになっていって、緑が光り輝いてくる瞬間。

どの瞬間もなんだかとても心地よくて、美味しく飲んでもらえたらいいなといつも思いながらお茶を入れています。

どちらも全然違うけれど、それぞれの美味しさがあるので、是非一度はどちらも飲んでみてくださいね。

もちろん、美味しいお菓子も忘れずに!

ではでは、また!

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