こんにちは。一日一服はお茶を飲みたい松下です。
十二月になりお稽古に行くと、いつも先生の家では「歳月不待人」(さいげつひとをまたず)という言葉が書かれた掛け軸がかかっていました。
そして、あぁ、なんだかせわしないなぁ。もう十二月か。と感じていました。
子供ながらに、文字のまま、「時間は待ってくれないから、やりたいことは早くやってしまわないと」と思っていました。
改めて、茶席の禅語句集を読んでみると
年月は瞬く間に過ぎ去って行き、人を待ってはくれない。
という意味で、
漢の詩人の陶淵明(とうえんめい)という人の「雑詩」という詩の最後の一節です。
及時當勉勵 歳月不待人とあり、
及時當勉勵の意味は
時に及んで当に勉励するべし
そのまま読めば、時を逃さず一瞬を大切にして勉学に励むべしということになります。
ただ、詩全体からの流れから読み取ると
勉励というのは、勉学ではなく、お酒を飲んで大いに楽しむことで、
本来の意味は
ぼやぼやしていると楽しい時を逃し、充実した時間を味わうことなく年老いて死んでしまうかもしれない。だからその時々に真剣に向かい合いなさい。
ということだそうです。
私が感じていた、時間は過ぎてしまうから、やりたいことはさっさとやってしまわないとというよりは
時間は過ぎてしまうから、その時間の一瞬一瞬を大事にせよということでしょうか。
急ぐわけでもなく、無駄に過ごすわけでもなく、ただその時間を大事に真剣に過ごす。
それが、仕事であれ、勉強であれ、遊びであっても。
そう思うと、十二月は関係なく、いつ何時にも言えることですね。
ただ、やはり、十二月に床の間でこの言葉に会うと、ついつい、あぁ年末も近付いてきたな。色々しないとなという気分になってしまいそうです。
でも、慌てると危ないこともありますから、いつだって平常心で年末もいつも通り過ごしたいものです。
歳月人を待たず
時間だけは皆に平等に与えられます。ただ、止まってもくれません。
だからこそ、自分の時間を大切に。
それは、あなただけのものですから。
充実で満たされた時間が過ごせますように。
ではでは、また!
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